陸上自衛隊仕様 偵察バイク HONDA XLR250R
前回レポートしたXL250Sを入手してから約半年が経過したある日、唐突として決断の日はやってきた。日ごろから小まめにチェックしている某巨大オーク ションに待望のアイテムが出品がされているではないか。そう!あの”自衛隊仕様”のXLRだ。これで毎日シコシコとオークションサイトをチェックしていた 甲斐があった!バンザーイ!
前回、combat.chでレポートしたXL250Sは バイクとしてはとてもいいバイクだ。個人的には、あのバイクの持つ独特のフォルムが大好きだ。だが、ブレーキが非常に怖かったり、電圧なんて6Vなもん で、昼間なんかウィンカーが点いているのかどうかも分からないくらいに暗いし、ホーンなんか『ピィィィ』とか弱くなるので、警笛の意味をなさない。なによ り保守部品が既に欠品となってしまっているので入手し難いなどの問題があるので、日常の足として利用するバイクとしてはちょっとツライものがある。『やっ ぱXLRかKLXがあればいいよなー』と悶々と妄想する日々ばかりが続いていたが、その妄想が現実として手の届く範囲までやってきたのである。オタク的に 例えるなら、待ちに待ったラムちゃんが予定より15年も遅れて空から降りてきた感覚であろうか。早速入札してみるが、一向に落札される気配はなし。『なん だー!この最低落札価格つーのは!最低売ってもイイ値段から初めてくれよー!』と雄叫びながら更に鬼神の如く入札を実行してみたが、入札にエントリーされ る気配はまったくナシ。気がつけば入札価格は45万円まで跳ね上がり、『新車の調達価格でも60万円ですよ・・・引き際が肝要かと・・』と隣に座っている MATT氏の諸葛孔明ばりのご意見に冷静さを取り戻した自分。『ここまでかー!うぉーどうしてもXLRがほしいー!やっぱ12Vじゃなきゃヤダー』一度物 欲に火が着けばなかなか鎮火しない私は、『もう作るしかない』とバイクド素人の癖にとんでもないない目標を実行に移す事になった。2004年10月、この日から自衛隊仕様のXLRを自らの手で製作する、油と塗料にまみれたストーリーの始まりである。
まずは情報収集と物資調達
ヤルと決まれば、早速情報収集を開始。インターネットを駆使して、陸自XLRについてのキーワードをかたっぱしから調べてみる。XL250Sの レポート時でも情報の少なさに泣かされたが、今回は更に泣かされる事になる。大手の検索エンジンで検索をかけるが、やっぱり該当する情報が少なく、2〜3 ページしかヒットしない。また、ヒットする情報も、自衛隊の公式サイトであったり、新聞記事であったり、作成に参考になるようなサイトは殆どといっていい ほどヒットしないのである。それでも根気よく探していけば、グーグル検索でヒットするではありませんか!!よくよく見てみれば、combat.chのコン テンツである『Forum’s(フォーラム)』ページで、その書き込み内容を読んでみると、XLRがコンバットマガジンの広告に出ていると書き込まれてい るではありませんか!実は恥ずかしながら私、コンバットマガジン読んでないんです・・・。早速、近所の商店街にある古本屋で、コンバットマガジンの過去2 年のバックナンバーを立ち読みし、広告を探して販売している先を見つけた!そこは福島県にある”THE兵舎”というミリタリーショップで古くから軍用品を 販売されている業界に老舗だ。急いで電話で問い合わせてみると『ええ、ありますよ』との事。こちらの素性をお話して是非譲って欲しいと伝えると『今、コン バットマガジンで連載してますよ。』との事。『え、そうなの?』と日ごろコンバットマガジンを読んでいない私は再び近所の古本屋さんへ。『ほんとだ。思 いっきり被(かぶ)ってるやん。しかも後だしじゃんけんなってる。』と情報収集能力の低さに赤面しながらも『でもXLR欲しいから継続するしかないよね』 と思いっきり自己解決。掲載されているコンバットマガジンを購入して研究する事にしました。
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THE兵舎から到着したジャンクXLR。正直、どこから手を付けて良いのか途方に暮れてしまった。 | |
事務所に戻って、ジャンクの陸自XLRを販売している兵舎さんにもう一度電話をして、にジャンクパーツを注文。今度はレストアベースとなるXLRをヤフー オークションのサイトで探して落札。このレストアベース車は至ってノーマルの車体だったので55000円と低価格で無事落札。うむー幸先はいいカンジ。続 いてサービスマニュアルとパーツリストも約3000円でこちらも落札。当然、レストア作業は夜間も行うつもりなので投光器、中古のバイクを解体するのには エアツールが必要との事なのでコンプレッサーも調達。バイク一台作るためにドンドンと設備が拡張されていく・・・『オークションに出ているのを60万円で 譲ってもらった方が安いのでは・・・』との弱気な考えも頭を過ぎったが、『全部揃えても60万円にはならないですよ。それにオークションのXLRも”仕様 ”ですから。ホンマもんではないんですよ』とのお言葉に調達を継続することにした。ここで調達した工具類を載せておくので参考にしてほしい。
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名 称
|
価 格
|
備 考
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| エアーコンプレッサー |
15800
|
–
|
| エアーツールセット(インパクトレンチなど) |
5800
|
–
|
| エアーツール(塗装用) |
2300
|
–
|
| 夜間作業用投光器 |
3800
|
–
|
| バイク作業台(バイクリフト) |
9800
|
–
|
| 工具セット |
2500
|
–
|
| 特殊なサイズのレンチなど |
2400
|
–
|
| 紙やすりなど |
300
|
–
|
| 電動ドリルの刃(9.5mm) |
1120
|
–
|
| 簡易サンドブラスター |
7500
|
結局使用していない
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| トルクレンチ |
4500
|
–
|
| 溶接機(100V/200V) |
12000
|
–
|
今回の陸自XLR仕様製作で非常に効率よく作業を進められたのはエアツールに拠るところが非常に大きかった。作業を開始するにあたり、いい道具を揃えた方 が良いとの助言を得たので、ホームセンターではなく、工具専門店で揃えることにした(まあ、簡単な工具についてはホームセンターで購入しているものある が)。特にエアツールは近所のホームセンターでは置いていない場合も多く、また、置いてあっても型番が古い割りに高価であったり、品質がよくなかったりと 問題が多かった。高価な工具だけにやはりキチンとしたものを揃える必要があるので株式会社ストレートというショップで調達する事にした。このショップは通 販も行っており、バイクを自作するのに必要な工具はすべてといって良いほど揃うので、工具が必要な場合は是非検討してみてほしい。ただし、いい工具が多い のでお値段も結構するのでご注意を。
株式会社ストレート(http://www.straight.co.jp/)
特殊外装部品の調達
2004年10月後半、THE兵舎さんから待望の陸自XLRのパーツ類が到着。大きなパレットに載せられたジャンクパーツは、当然の如く、と言おうか、見 事にバイクの形をしていない。自衛隊の払い下げ品としての心意気を見せてくれる程のジャンクっぷりだ。そのジャンクの塊が乗ったパレットを見てガッカリは したが、自分で組み上げるのだから当然と言えば当然。ここから這い上がるしかない!工具も買ってしまってるんだ!と自分に言い聞かせ、ひとつひとつのパー ツをチェックしてみた。
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|
名 称
|
価 格
|
備 考
|
| タンク(OD) |
—
|
程度はよい。利用可
|
| リアフレーム左右(OD) |
—
|
溶接再生で利用可
|
| エンジンガート(OD) |
—
|
溶接再生で利用可
|
| ライトガード(OD) |
—
|
利用可
|
| サイドカバー(OD) |
—
|
利用可
|
| リアキャリアASSY(OD) |
—
|
利用可
|
| 無線機ホルダーラック(OD) |
—
|
利用可
|
| シート(Black) |
—
|
欠損あり。利用可
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| ホイール前後(OD) |
—
|
歪みの為、利用不可
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| フロントブレーキカバー |
—
|
利用可
|
| マフラー |
—
|
利用可
|
| エイゾーストパイプ |
—
|
利用可
|
| ナックルガード左右(OD) |
—
|
利用可
|
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上記THE兵舎より一括購入
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120.000
|
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||
| 灯火管制用ランプ |
2500
|
別途購入(新品)
|
| 無線機用リモートスイッチ |
3100
|
別途購入(中古品)
|
フレームは当然なのだが完全に溶断されていた。しかも何十にも切断されたフレームは既にその原型を留めてはいなかった。完膚なまでに裁断されたフレーム は、『バイク』と言われても信じられないくらいに徹底的に破壊されている。また残念な事に、フレームを溶断する際に飛び散った火花で、幾つかのパーツは利 用不可能の状態。今回のキモの部分である特殊外装については、殆どに溶断が入っていたものの、溶接する事で再利用できそうな程度の損傷具合だったのでとり あえずは一安心。この程度なら自力でなんとかできそうだ。
陸自XLRには、フレームに特殊なパーツが溶接されている。これはリアアームの固定する為のもので、陸自XLRには必要不可欠といっても過言ではないパー ツだ。当然民生用のXLRには、ガードを装着する必要はないので、このパーツは溶接されていない。兵舎さんからきた陸自XLRジャンクパーツには、非常に 残念な事にこのアーム止めと補強用の渡しプレートがついてこなかった。あるいはパーツの中に溶断されたパーツの塊の中にあったのかも知れないが、とても再 利用できるレベルではない。このパーツについては、なんとか自作するしかない。
しかし、これだけ揃えば自作に向けて大きく前進!早速作業を開始すると思いきや、季節は既に冬。外気温が下がり寒くなってきたのでモチベーションを維持で きずに作業は一時中断。暖かいこたつでサービスマニュアルとパーツリストをチェックする作業に専念する事にした。
特殊パーツのオーダーメイド
2004年11月後半、兵舎さんから到着したジャンクパーツのセットで大半の特殊外装パーツが揃ったが、リアアームベースとフレーム補強用のプレートにつ いては未だに入手出来てなかった。ネットを駆使して他のジャンクからパーツを入手しようと試みたがすべて失敗。そこで金属加工業者に依頼することにした。 ネットで検索したワンオフパーツ業者へ片っ端からメールで問い合わせしてみた。
今回、製造してもらったパーツは2種4点;
- リアアーム受け(左・右)
- フレーム補強(左・右)
実物の自衛隊XLRがないので、とりあえず写真と大まかな寸法で製作加工が可能か問い合わせた所、厚さ3.2mmの鉄板を加工できる所は殆どなく、 しかも単品発注となれば引き受けてくれる工場はなかなか見つからなかった。探し始めて20日くらい経った頃だろうか、京都府にある桜井工機株式会社から返 事のメールを頂き、試行錯誤の末なんとか可能との報告を頂いた。本来、実物の自衛隊用XLRならばプレスで製造されているパーツなのだが、1台の為にプレ ス加工は現実的ではないコストが必要になる。そこで溶接とハンドメイドでこのパーツの作り出す事にしてもらった。
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←こちらは自衛隊駐屯地で撮影したもの。プレス加工されているのが分かる。 | ||
しかしここで問題が発生。パーツの製造は可能だが、やはり採寸した図面が必要だと言われた。たしかにそう言われればもっともなのだが、写真から現物のサイ ズなど割り出せないものかと素人的に考えていたのだ。当然、手元には実物の自衛隊用XLRはないし、パーツもない。途方に暮れ、考え抜いた結論は『自衛隊 への直談判』しかない。とりあえず近所の自衛隊駐屯地広報課へアポイントメントをとってみると、『今度、駐屯地祭があるのでその時でしたらOKです。』 細部まで撮影できるように手配もしてくれるらしい。ありがとう自衛隊!
当日、細部まで撮影した写真とノギスで測った実測値で図面を引いてもらった。この時、完全に自衛隊のパーツと同型ではなく、民生用フレームに溶接した場合 の強度が出来るだけ高くなるように若干の変更を加えてもらう事にした。プレスではなくハンドメイドで製造してもらうので、民生用フレームへの溶接失敗は出 来ない。そこで失敗する可能性を低く抑えるにはオリジナルの形状と若干異なる(溶接しろを付ける為)もの製作する事になった。このパーツについては、加工 の仕様書がocmbatchでダウンロードできるようにしてあるので、興味のある人は参考にしてほしい。
パーツの納期は30日と言われていたのだが、実際には20日程度と非常に早く手元に届いた。2005年のゴールデンウィークを挟んでいたので、本当はもっ と早く出来たのかもしれない。到着した製品を見てみると、『職人技だなー』と思わせる非常に良い出来。実物では強度を出すためのプレス加工の窪みを溶接加 工で再現し、厚さ3.2mmもある鉄板に段差を付けるといった細かい作業を見事に再現されていました。しかも休みの中、短期間で納品してもらい、桜井工機 さんには大変お世話になりました。
桜井工機株式会社(http://www.cheric.com/)
民生用XLRの分解と塗装
2005年3月24日くらいかな?春の陽気と共に外気温が上昇、これに比例するようにモチベーションが急上昇して作業再開。去年にオークションで購入して おいた民生用XLRを分解する事にした。すでにエアツールを初めとする工具類を揃えていた分解は、想像を遥かに凌ぐ勢いで分解する事が出来、翌日にはすべ てバラバラになってパーツもすべてダンポールの中に納まってしまった。しかし、バイクの分解などしか事がない素人の私が犯したチョンボは以下の2点;
- 外したネジはパート毎(ハンドル周りとかブレーキ類)に分けような!
- デジカメあるんだから、分解前に写真撮っとこうな!(これ結構大事です)
外したネジを一つのケースに入れていたので、組み立てる時にノギスでいちいちサイズを測ってから装着する事態に陥ってしまった。パーツリストでサイズを確 認して、サイズを測ってからネジを締めていたのでは大幅な時間のロスだ。実際、組み立てには異常に時間が必要になってしまった。写真は配線とかエンジン周 りとか、どこがどう繋がっているか?とかが分かればとても便利。特にバイクのハンドル周りなんかは、いろんなケーブルが微妙な隙間を通る事が多いので写真 の記録があればスムーズに出来る。分解する前にデジカメでパシャリと撮影しておけば、組み立て時には驚くほど参考になる場合が多い。
桜井工機さんから特注パーツが到着するまで時間があるので、この間にパーツのクリーニングとフレーム以外のパーツ塗装へ作業を移す事に。桜井工機から納品 されるパーツを溶接する必要がある為、塗装作業は一番最後になります。なのでとりあえずフレームは塗料はがしを行う事に。その他のパーツはパーツクリー ナーで外した部品をひとつひとつクリーニングしていきます。資料と比べて、ODのカラーリングが施されているものには塗装を施していきました。このODで すが、自衛隊で使用しているODは”業務用”といって、普通に市販されているものとかなり色合いが異なり入手は非常に困難。自衛隊用のパーツを持ってあっ ちこっちの塗装屋で調色してもらいましたが、なかなか納得のいく色合いにはなりませんでした。
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捜し歩いた結果、自衛隊へ納入してる某大手塗料メーカーで、発注番号でオーダーすることで入手する事ができた。”業務用OD”といっても販売してくれませ ん。当然、ネットでのレポート掲載も拒否されてしまいました。でも大手ペンキメーカーですし、そんなに数ある業界ではないので直ぐに分かると思います が・・・
陸自XLRはエンジン部分がツヤ有り黒で塗装されているので同じように塗装。ここは耐熱塗料スプレーのツヤ消しを吹き付けた。リアクッションについては ODのパターンと、黒のパターンとあるのだが、今回は黒色のパターンをチョイスして塗装。白色のXLRパーツが、国防色や黒色に塗装されていくのをうっと りと眺める自分がいる。いかんいかん部屋の換気をしなくては・・・。
小さいパーツ類を塗装してる間に桜井工機から待望のパーツが到着。早速溶接してフレームの塗装を開始しました。このフレーム塗装、ある程度のスペースが必 要です。スプレーガンで噴くのだが、あっちこっちに粉末状の塗料が飛んで後始末が大変。壁や床を汚してしまい、ビルの管理人にこっぴどく叱られる事になっ た。32歳にして叱られるとは、なんとも貴重な体験ではないか。
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塗装作業には、なんやかんやで1ヶ月近くの時間を費やしてしまった。ペーパーを当てたり、傷を埋めたり、特に塗料の着きをよくする為に下地処理は入念に 行った。陸自XLR作製作業で一番手間のかかった作業になってしまった。組み立てや分解に時間が懸かると思っていたのに・・・。桜井工機からのパーツ到着 待ちの期間を利用したパーツ磨き作業で、苦痛と思われたこの作業で磨耗したパーツやクラックが入ったパーツなど発見して交換する事ができてしまった。これ は安全性からいっても大きくプラスだった。が、でもペーパー当てはもうしたくない・・・すべての塗装が終わった時点で、5月の連休も終了。結局この作業に掛かりっきりで連休はシンナー中毒者ばりの生活でした。
組み立て
2005年5月30日。いよいよ組み立て開始。ここでも分解時と同様、エアーツールを初めとする工具類に支えられてスムーズに進んだ。何付けをしていた 為、中腰の位置で重量のあるパーツを取り付ける必要があもないフレームにサスペンションと後輪を取り付け、そしてフロントフォークと前輪を取り付ける事で バイクの骨子が完成。しかしこのタイヤ付けが以外と時間を必要とした。一人で取りった。フレームの位置を変えてみたり、いろいろな方向から固定する試行錯 誤をしているうちに、フレームにけっこうキズが付いてしまっていた。このキズは後で修正するとして、とりあえずハーネス(電線)を這わして、通電チェック を行った。翌月5日までにはエンジン、エアクリーナー、キャブレターなどのエンジン周り部品の取り付けを無事終了。この時点で一度エンジンの始動と電装テ ストをする事にした。キックを力強く3−4回踏み込むと、『ブロゥンンンン』と不安定に回転をスタートさせた。分解から約2ヶ月、一時は『もう二度と動か ないんじゃないか・・・』と不安に思った時期もあったが、何とかバイクの心臓であるエンジンについては動かせる事に成功。感動のあまり小躍りをしてしま う。
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電装関連もヘッドランプ、ウィンカー、キルスイッチ、ホーンなどすべて正常に作動し、機械的な項目に関する作業工程はほとんどを終了。完成までホントにあと一歩の所まできてしまった。
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外装用のプラパーツを取り付けると、あとは自衛隊用の特殊外装を取り付るだけだったが、この特殊外装は取り付けるのは一番の力仕事になってしまった。ナッ ト穴の位置がとてもアバウトなのである。穴の位置を力技で合せてナットを挿入する作業は、気温が30℃近くある場所での作業には辛いものがあった。この作 業でリアフレームとキャリア、無線機用ラックを装着した。エンジンガードはガレージへの出し入れにとても邪魔になるので最終段階で装着する事にした。
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いよいよ最後になったハンドル周りの作業に入る。ケーブル類の撓みを見ながら、仮止めしていたパーツをひとつひとつ固定していく。電装品も最後の作動 チェックをしたあと、ランプカバーと特殊外装のライトガードを装着した。ハンドルを左右に大きく振ってみて、ケーブル類に無理な力で捩れていないかを確認 し、ハンドル周り工程も終了。
ここに”自衛隊仕様XLR250R”が一応完成した。
偵察車両としてのXLR250R
早速完成した陸自XLRを近所のバイク屋さん”濱田ガレージ”に持込、細部に渡ってチェックしてもらう。2時間くらいして、各部のチェックが終了 し、問題なしとのお墨付きをもらう事になる。早速、近所の広い駐車場に出向き初ノリと行く事にした。エンジンを吹かし、急加速、急減速を繰り返し車体に力 をかけてみる。やっぱりXL250Sとは全然違う!去年レポートしたXL250Sと比べてみて、進化がいくつも見られる。XL250Sの 怖いまでのブレーキの甘さは十分に改善され、後輪はドラムブレーキながら十分に日常の足に耐える制動力を発揮してくれる。直進走行時の安定性もやっぱり XLRの方が優れている。XLR250Sの新型後継機なのだから当然なのだが、なんかちょっぴりうれしい。(すでにこのXLRとて基本設計は20年も前の ものなのだが・・・)
XL250Sと比較してみた。
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↑↓前から比較
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↑↓後ろから比較
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↑↓リアキャリア
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↑↓計器類
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性能でXLRの方が断然良いと言えるが、軍用としてのスタイル”野暮ったさ”とでも言えばいいか、そういったものはXL250Sの方がイイ雰囲気を出していると思う。XLRは洗練されていて、この”野暮ったさ”感があまり感じられない。車体塗装が新しすぎてそう感じるかも知れない。XLRの基本スペックは;
| 型式 |
MD20
|
|
| 全長(m) |
2.165
|
|
| 全幅(m) |
0.860
|
|
| 全高(m) |
1.210
|
|
| 軸距(m) |
1.430
|
|
| 最低地上高(m) |
0.285
|
|
| シート高(m) |
0.860
|
|
| 車両重量(Kg) |
121
|
|
| 乾燥重量(Kg) |
111
|
|
| 乗車定員(人) |
2
|
|
| 燃費(km/L) |
50.3(50km/h定地走行テスト値)
|
|
| エンジン型式 |
MD17E・空冷4サイクルOHC4バルブ単気筒
|
|
| 総排気量(cm3) |
249
|
|
| 内径×行程(mm) |
73.0×59.5
|
|
| 圧縮比 |
9.3
|
|
| 最高出力(PS/rpm) |
28/8,500
|
|
| 最大トルク(Kg-m/rpm) |
2.5/7,500
|
|
| 始動方式 |
キック
|
|
| 点火方式 |
無接点式CDI
|
|
| 燃料タンク容量(L) |
9.0
|
|
| 変速機形式 |
常時噛合式6段リターン
|
|
| タイヤサイズ |
前
|
3.00-21-4PR
|
| タイヤサイズ |
後
|
4.60-18-4PR
|
| ブレーキ形式 |
前
|
油圧式ディスク
|
| ブレーキ形式 |
後
|
機械式リーディングトレーリング
|
| 懸架方式 |
前
|
テレスコピック(円筒空気バネ併用)
|
| 懸架方式 |
後
|
スイングアーム(プロリンク)
|
| フレーム形式 |
セミダブルクレードル
|
|
パワーがあるのか、特殊装備を取り付けて重量が増加しているのにも係わらず、ぐいぐいと加速する。XL250Sではとても鈍い加速だったイメージがあるのでとても驚いた。市販車のXLRと遜色なく加速、時速85キロを超えた時点で速度警告ランプが点灯。よしよし、全てが上手くいっているようだ。時速85キロからの急ブレーキも市販車よりは長い制動距離ではあったが、装備類の重たさを考えればこんなものか。
その後、一般道で走行してみたが、リアフレームがあるおかげで際どいすり抜けができない以外はまったく問題なし。絶好調の自衛隊仕様XLR250Rだ。
すべてを自分でやってみて
計画から約10ヶ月(下準備7ヶ月、実作業3ヶ月)、ここにすべての工程を終了して自衛隊仕様XLR250Rが完成した。すべての作業をズブの素人がして も、ここまで出来る事を証明した。だれに証明するものでもないが、自分でも満足の出来る完成度である。ではあるが、マニアな自分としてはやっぱり”ホンモ ノの自衛隊XLR”が欲しい今日この頃ではある。マニアの物欲にはホント際限がない。困ったもんだ。
実質の作業時間は一日約2時間くらい、これが週4−5日程のペースで作業していたので思ったよりは時間が少なくて済んだ。準備には結構な時間が必要だった が、分解と塗装、組み立ての作業は3月後半から6月始めの間で終了。無駄に時間を食ったのは、自分のポカミスでネジ類を分類せずに一つの箱に入れてしまっ た為、いちいちネジのサイズを測ってからでないと使用できない状態にしてしまった事。これは作業時間を無駄に異常に長くしてしまいました。また下地塗装に は特に時間をかけて作業したので、塗装の仕上がりも十分満足のいく出来栄えにする事ができた。やっぱり下地処理のやり方で塗装で出来栄えは大きく変わって しまう。
今回の立役者はHONDAが出版しているXLR用のサービスマニュアルとパーツリスト。この2冊がないと今回の完成はまず無かったと考えて間違いな い。サービスマニュアルは組み立て説明書みたいなもので、分解の方法や組み立ての工程、ポイントなどが詳しく書かれたマニュアルだ。パーツリストは、ネジ のサイズやパーツの形状、部品番号なんかが記載されているもので、ここに書かれている番号で純正パーツを注文する事ができるリストだ。このリストは、ネジ を混合保管てしまった自分には無くてはならいものになった。これから自衛隊仕様XLRを自作しようと考えている人は、この2冊は入手しておいた方がよい。 既に絶版との事なので速いほうがいいだろう。
最後に、本当はこの陸自XLRレポートは、もっと実際の作業に則した構成で作成していた。このレポートをを読んで、陸自XLRバイクを組み立てれるよう な、『組み立て説明者的』なレポートを予定していた。だが、その工程を真似て完成したバイクで万が一事故が起きれば責任問題になるとの事で、大まかな組み 立ての流れだけのレポートになってしまった。残念ではあるが、自分が今回の自作でした事は、大きく言えばサービスマニュアルに沿って作業しただけなので誰 にでも十分可能だと言える。特殊なパーツについてもオークションで販売されている場合も稀にあるし、近所の鉄工所に相談してみるのも一つの手だと思う。ど うしても躓いたりしたら、遠慮なくcombat.chの私の所へコンタクトを取ってほしい。
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MIL+(ミルプラス)—会員登録(無料)が必要だが、私が立てたコミュ『陸自仕様バイクをつくりませう』があるので、是非こちらにコンタクトしてほしい
完成したバイクは、既にナンバーも取得し公道を走行できる状態なのだが、一度行きつけのバイクショップに持ち込んでプロのメンテナンスを受けてから実走行することにした。皆さんも自分で自作した場合には必ずプロの最終メンテナンスを受けてから走行するようにしてほしい。
総予算と関連情報
1)予算関連(工具/設備)
|
名 称
|
価 格
|
備 考
|
| エアーコンプレッサー |
15800
|
–
|
| エアーツールセット(インパクトレンチなど) |
5800
|
–
|
| エアーツール(塗装用) |
2300
|
–
|
| 夜間作業用投光器 |
3800
|
–
|
| バイク作業台(バイクリフト) |
9800
|
–
|
| 工具セット |
2500
|
–
|
| 特殊なサイズのレンチなど |
2400
|
–
|
| 紙やすりなど |
300
|
–
|
| 電動ドリルの刃(9.5mm) |
1120
|
–
|
| 簡易サンドブラスター |
7500
|
結局使用していない
|
| トルクレンチ |
4500
|
–
|
| 溶接機(100V/200V) |
12000
|
–
|
2)ハイク用パーツ(純正及び補修用含む)
|
名 称
|
価 格
|
備 考
|
| 交換用ボルト・ネジ |
1200
|
–
|
| D.I.D 428V2130LEチェーン |
6100
|
純正部品
|
| スプロケット(前後) |
5500
|
純正部品
|
| ブレーキレバー |
910
|
純正部品
|
| クラッチレバー |
910
|
純正部品
|
| スロットルケーブル(A.B) |
3120
|
純正部品
|
| ガスケット |
520
|
純正部品
|
| キルスイッチ |
2330
|
純正部品
|
| クラッチケーブル |
1300
|
純正部品
|
| オイルフィルター |
600
|
–
|
| エンジンオイル |
2800
|
2.0L
|
| サービスマニュアル |
2800
|
–
|
| パーツリスト |
1200
|
–
|
3)自衛隊用外装部品
4)その他調達物資及消耗品
|
名 称
|
価 格
|
備 考
|
| 民生用XLR250R(MD20-100****) |
55000
|
陸自用と同型
|
| 自賠責保険 |
9700
|
1年間
|
| ナンバー交付料金 |
520
|
–
|
| リアフレームベース(左右) |
25000
|
オーダーメイド
|
| フレーム補強用レール(左右) |
7000
|
オーダーメイド
|
| バイクメンテナンス(バイクショップ) |
5000
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– |
5)利用したサービス(順不同)
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名 称
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備 考
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| 株式会社 北島商会 |
純正パーツ
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| 桜井工機株式会社 株式会社 |
機械加工/パーツ製造
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| 株式会社 ストレート |
専用工具、ツールなど
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| 濱田ガレージ |
最終点検
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| THE兵舎 〒963-8013 福島県郡山市神明町8-13 TEL024-932-3115 FAX024-925-4410 |
自衛隊用XLRジャンク
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皆さん協力で何とか個人の力で自衛隊仕様XLRを完成させる事ができました。本当に有難うございました。最終点検をしてくれた”濱田ガレージ”が XLRミリタリーを限定で販売するかもしれません。ウチが持ち込んだ陸自使用XLR を細かく採寸してましたし、『オレもほしいなー』を連呼しておられました。多分密造する気マンマンです。もし、一般向け販売のリクエストがありましたら掲示板かメールで!反響によっては量産するかもしれません。
陸自XLRの話題についてはcombat.chのフォーラムかMIL+SNSでお気軽にコンタクトを取って下さい。
【フォーラム】自衛隊の偵察バイクを作ろうと思います。
【MIL+SNS】陸自仕様バイクをつくりませう
フォトギャラリー
収集データー
| 本製品データー | 実銃データー | |
|---|---|---|
| 名 称 | HONDA XLR250R(MD20) |
–
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| メーカー | 本田技研工業株式会社 |
–
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| 主要材質 | 耐衝撃性ABS,Zn,Fe |
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| 銃身長 | – | – |
| 全 長 | 2.165mm | – |
| 重 量 | 約123Kg + 装備パーツ | – |
| 口 径 | – | – |
| 初 速 | – | – |
| パワー値 | 71馬力 | – |
| 照準具 | – | – |
| パワーソース | 液体燃料(ガソリン) | – |
| 給弾方式 | – | – |
| 発射速度 | 最高速度120㎞/h | – |
| 発売日 | 不明 | |
| 撮影日 | 2005年6月10日 | |
| 購入店 | 通信販売でパーツを収集 | |
| 実売価格 | 製造価格 約330,000円(工具等含む) | |
| ポイントスター |
★☆☆☆☆
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外部リンク
関西廃墟探訪(バイクのページがあります。)
むーのおもちゃ箱
基地際に見る自衛隊装備図鑑 (現在公開されていません。)
ダウンロード
【ダウンロード】陸自XLRシート用ステンシル
【ダウンロード】XLRフレームパーツ(ガードマウント)の発注仕様書














































































































































































































MVG2008 in 本栖湖ハイランド参加レポ : COMBAT.CH on 火, 10th 2月 2009 11:23 AM
[...] 今回はcombat.chのレポートで掲載されているおなじみの陸自偵察バイクXLR250RとXL250Sを イベント会場に持ち込んでいた。これは偵察バイクを会場内で乗ってのってもらうイベントを計画し [...]
XLR250RBAJAを廃車した。 | Editorial Department Blog on 日, 29th 8月 2010 8:10 AM
[...] もうちょっと涼しくなったら、バラバラに解体して共有できる部品は陸自仕様XLR250Rの予備パーツとして保管しておくつもりだ。 [...]