防衛庁 偵察用オートバイ ホンダXL250S
子供の頃、地元の基地際などで行われた模擬演習でひときわ目立ったのが偵察隊が披露するアクロバット走行だった。颯爽と会場に進入し、そしてバイクの上に 立って小銃を射撃する。今度はターンをしてバイクをこかせたかと思うとバイクを遮蔽物として射撃開始。その姿にとても感動したのを覚えている。その時の オートバイがホンダ製であり、また後に自衛隊員でもない自分が日常の足として乗ることになるとは・・・その時は考えもしていませんでした。
ある日いつものようにオークションサイトを見ていると”自衛隊 偵察バイク”のタイトルが目にとまる。早速クリックして見てみると、子供のとき模擬 戦闘でみたあの偵察バイクだった。『どうしてもほしい』と自分の中の物欲番町がメラメラと暑苦しいオーラを出しまくり、物欲番町に屈服する形で早速入札し てしまいました。
さてここからが結構大変でした。必ず購入する 不退転の決意は変わりませんが、購入するとなるといろいろな問題点が気になって仕方がない。そこでオークションページにある写真を見ては資料と照らし合わ せ、『いったいいつ頃のものなのか?』『補修パーツなどは入手可能か?』『レストア可能なショップはあるか?』などとリサーチする日々。そうこうしている 間に入札価格はどんどん上昇していくではありませんか!不退転の決意ではありましたが、出品価格100%増に近づくあたりで”転進”との思いが巡るも、な んとか無事落札する事ができました。
落札の喜びを噛み締めながら、発送してもらう手続きと公道を走らせる為の準備に取り掛かる事にしました。
落札から15日くらいして実車が納車され、写真では判別できなかった細かなところまで判明しました。”ホンダ製XL250S”子供の頃、自衛隊の模擬戦闘 で見たあの偵察バイクに間違いありませんでした。。子供のころの感動が蘇り、余韻のもとおもむろにエンジンをかけてみる・・・・ウンとスンともいわない。 燃料も入っているのだが・・・。予想していたとはいえ、すこし残念。ここから日常の足となるまでの復活レストアが始まった。レストアはそれほど大変なもの ではありませんでした。軍用に選択しただけの事あり、エンジンの構造はきわめてシンプル。その他の主要部品は民間の物で構成されており、パーツの入手も比 較的簡単。実車を受け取って20日くらいで問題なく公道を走行できる状態にまで回復させる事ができました。
初偵察は京都の護国神社と決めていたので行ってきました。大阪と京都の往復で約140キロ位でしょうか?調子よく快適なツーリングでした。バイクは 緑なのですが、服装がカジュアルだった為さほど注目される事もなく粛々とお参りをして帰路につきました。実はもうながい間バイクを乗っているのですが、 ツーリングは今回が始めてで、初偵察バイクと初ツーリングでとても楽しめました。ただ、XL250Sの欠点としてブレーキ性能の悪さは見聞通りで、現行バ イクのつもりでブレーキングすると大変危険でした。『ズズズッー』と滑るように停車します。かなり怖かったです。
後日談ですが、現在でも古いパーツを新しくする作業を続けています。しかし、combat.chの掲示板に偵察バイクのスレが 立ち”同じ事してる人がいるなー”見てみると、偵察バイク販売の情報があるのを発見してしまいました。ここんとこバイクバカになってる私は早速電話でアポ イントメントを取り現在購入を検討中です。なかなかよさそうなので・・・。(ひょっとしたらXLRかも?)購入したらまたレポートするかもしれません。
ホンダXL250Sというバイク
自分もこの偵察バイクを入手するまでXLシリーズについては名前程度しか知りませんでした。本田技研工業のサイトやユーザーのサイトを調べてみると、発売 当時はなかなか画期的な機能を持たせたホンダの意欲作だったらしいのです。2ストローク方式が全盛の時期にあえて4ストロークエンジンで市場に登場させ、 ヒット商品となったのがこのXL250Sだ。そこに目をつけたがどうかは定かではないが、防衛庁採用となるからにはベースとなるこのバイクの性能が当時と しては評価できる性能であったことは間違いないと考えています。
新設計の4サイクル・エンジンは、高い吸排気効率をねらい、2本ずつの吸・排気弁を採用。単気筒ながら2本の排気管を持つ。このため、高速時の出力はもち論、歩くよりも遅いような低速での長時間走行も可能な、すぐれた冷却性と、低中速でねばり強くパワーバンドの広い出力特 性を備えている。
125CCなみの軽い踏力で始動ができる、キック・ペダル連動デコンプ機構も採用。信頼性が高く、メインテナンス・フリーのCDI点火装置ともあいまって、確実・容易な始動ができる。
ミッション・シャフトと兼ねた2軸式バランサー機構を採用し、小型で振動の少ないエンジンとした。 シート下に装備したセンター・マフラーや、軽量化(乾燥重量119kg)を追求したフレームにより、取りまわしの楽な車である。23インチ大径新パターン・タイアと、204m/mの 長いクッション・ストロークがあいまって、高い最低地上高(255m/m)がえられた。これらの諸特性により、オフ・ロードでは起伏の激しい所も容易に走り抜けるすぐれた走破性を持ち、 オン・ロードでは振動の少ない快適な走行が楽しめる。
XL250S主要諸元
| 全長(m) | 2.175 | |
| 全幅(m) | 0.875 | |
| 全高(m) | 1.185 | |
| 軸距(m) | 1.390 | |
| 最低地上高(m) | 0.255 | |
| 車両重量(kg) | 128(整備)119(乾燥) | |
| 燃料タンク容量(L) | 9.5 | |
| 燃料消費率(km/L)(50km/h定地走行テスト値) | 50 | |
| 登坂能力(tanθ) | 0.57 | |
| 最小回転半径(m) | 2.2 | |
| エンジン形式 | 空冷4サイクルOHC 単気筒 | |
| 総排気量(cm3) | 248 | |
| 内径×行程(mm) | 74.0×57.8 | |
| 圧縮比 | 9.1 | |
| 最高出力(PS/rpm) | 20/7,500 | |
| 最大トルク(kg-m/rpm) | 2.0/6,000 | |
| 始動方式 | キック式 | |
| 一次減速比 | 2.379 | |
| 変速比 | 1速 | 2.800 |
| 2速 | 1.850 | |
| 3速 | 1.375 | |
| 4速 | 1.111 | |
| 5速 | 0.900 | |
| 最終減速比 | 3.785 | |
| フレーム形式 | ダイヤモンド式 | |
| キャスター(度) | 28°30′ | |
| トレール(mm) | 138 | |
| タイアサイズ | (前) | 3.00-23-4PR |
| (後) | 4.60-18-4PR | |
| ブレーキ形式 | (前) | ワイアー式リーディングトレーリング |
| (後) | ワイアー式リーディングトレーリング | |
多分重量と燃費に関しては、偵察バイクの方が重くて燃費は悪いと思います。変速比についても防衛庁納入モデルは若干の変更を施してあるとの事でした。
現在の自衛隊偵察バイク
もちろん現在でも偵察小隊で偵察バイクを使用しています。最近では普通科でも部隊連絡用としてこれらのバイクが配備されています。防衛庁納入はホンダ社が 長年採用されてきました(SL250S、XL250S、XL250R、XLR250Rなど)。しかし2001年度調達からはカワサキKLX250にその座 を譲り、随時更新されています。しかし予算の割り当て上すべてのバイクがカワサキKLXに更新されるのにはまだまだ先の話で、現在でもXLR250Rが数 量からいえば主力偵察バイクとなるでしょう。
←現在、もっとも多く配備・運用されているXLR250R。ホンダ社の偵察バイクはこれが最後で、現在はカワサキのKLX250への更新作業が進められています。(photo:防衛庁) |
少数ですが(我が)XL250S、そしてXL250Rもまだまだ使用されているようです。聞いた話ではホンダXLXなども導入されているらしいのですが、こちらは現物を見たことはありません。
演習などでは隊員によるアクロバット走行を見せてくれる偵察小隊ですが、演習で見せる技術は”見せるため”の技術で本当の訓練は非常に過酷で厳しいものらし いです。通常の戦闘車両とは異なり、防弾や防御する構造がなく通常の事故ですら任務遂行に著しい支障が出るため、危険地帯を確実に走行するための技術は大 変に高度なものだと聞いています。
私見ではありますが、最近ま でジーブにしても装甲車にしても米軍と比べれば機能美といった点でどうしても劣っているように感じていました。しかし近頃はパジェロの73式小型トラック や8輪装甲車など兵器としてのカッコよさを持つ兵器が増えてきたような気がします。時代の流れなんでしょうね。
民間型XL250Sとの違い
特徴はライトガードやエンジンガート、無線機用のキャリアーなどを背負い、一人乗り用のシートを装着している事が大きなところです。あとはあのカラーリン グ。O.D一色の車体は民間と同型などとは思えないような威圧感があります。XL250Sも、民間型は非常にスマートな車体形状をしているのですが、自衛 隊バーションになるとその感じは一変します。一回り大きい車体に乗っている感じでしょうか?エンジン部分ではトルク比なども防衛庁納入品は若干違いがある ようです。その他のフレーム形状や電装品、タンクなどはカラーリングが違うだけで民間のものと同型品で構成されています。最新型であるKLXではフレーム の形状も一部異なる部分があるそうです。
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頑丈なエンジンガード
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大型のリアキャリアー
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見やすい大きめの速度計
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特徴的な後部の大型ガード
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これから偵察バイクの入手を考えてみる
個人的には、軍用車両の中で比較的個人でも所有が簡単ではないかと考えていた偵察バイク。M151やMBなどは車庫の問題もあるが、車検が大きな ネックとなりなかなか所有することに踏み切ることができない人が多い。なにより車体価格(100万円から200万円、オリジナル度によっては500万円な どもある)と比べて資産としての価値はないし、近所の人の目もある。自動車ともなるとメンテナンスも専門的な知識が必要になる。ざっと考えてもこれだけの デメリットがあるのも軍用車両の魅力ではありますが、オートバイならここに上げた問題はほとんどクリアーにすることができます。だから結構軍用バイク乗っ てる人多いのかなーと探してみればほとんどいない。ホームページもない。掲示板には『ほしい』の書き込みはあるが、所有している書き込みほとんどはない。 何故だろ?と調べてみると払い下げの方法に答えがありました。
最近の防衛庁の機械部品(自動車・通信機等)払い下げではフレームはおろか外装パーツまで完全なスチールチップにして本当の鉄くずでの払い下げしかないようです。当然、溶接して加工できる状態ではないシロモノにしての払い下げが徹底して行われているとの事でした。
今回入手したXL250Sは昔に防衛庁から使用できる状態で払い下げされたものを個人の方が所有されていたのをオークションに出品され、そして自分が落札し ました。なのでほとんど完全な形で入手する事ができました。このXLシリーズについては完全な状態のものが現在でも入手は可能です。しかし完全な状態で払 い下げられていた時期は非常に短く、直ぐにフレーム溶断の上払い下げられるものが多くなりました。フレーム溶断の場合は、同型の民間バージョンを入手して 外装パーツの付け替えといった方法で公道を走る事ができるようになります。
さて、入手方法ですが、先に述べたように大手オークションで入手するのがもっとも早い方法だと思います。GOOバイクなど一般に発売されているバイ ク雑誌にもごくまれではありますが、売り物があるときもあります。こちらは”自衛隊タイプ”とか”モデル”がほとんどだと思います。また、今回入手した XLシリーズは耐用年数を過ぎて払い下げされたものなので、乗れる状態での放出といっても過酷な訓練によって酷使されています。ベアリングや機関部分など の稼動部分はオーバーホールを覚悟しておいて下さい。最近のモデル(XLR、KLX)は払い下げでの入手はほぼ絶望的と考えて間違いありません。XLRに 関してはバイクとしての入手は困難ですが、外装パーツ単体としての払い下げは1990年前半まで行われていたので入手する事は可能です。民間のXLRに塗 装して入手したパーツを取り付ける形で再現する事ができます。KLXは配備されたばかりなので払い下げとしては事故車でのスクラップ以外考えられません。 事故車スクラップでも完膚なきまでに潰して払い下げとの事でした。
それでも民間で入手する人がいるのもまた事実なんですよね。どうやって入手してんだろ。
価格は、このレポートで使用したXL250Sは本体価格10万円で購入しました。登録などの費用が1万円、エンジンなどのレストアパーツで12万円ほど使用 しています。ノーマルのXL250Sでだいたい7万円前後ですので非常に高価な買い物になってしましまいました。ちなみに防衛庁の調達価格は60万円らし いです。結構高いですね。
自衛隊偵察バイクにターゲットを絞らず、米軍用偵察バイクでOKの場合は比較的簡単に入手できます。米軍は主にカワサキのバイクを偵察用として採用しています。こちらは通関証明書のついた米 軍払い下げ品としてたまに販売されているようです。沖縄などの業者さんには結構流通しています。価格は15万円から20万円くらいが相場です。米軍の車両 関係はいわゆる”ミリタリーショップ”よりも普通の”中古車屋”が在庫でもっている場合が多いです。ただ米軍用の偵察バイクは排気量が大きく(250CC 超え)、種類も結構あるので購入するときには注意が必要です。これから購入を検討されてる方は参考にしてみて下さい。
フォトギャラリー
収集データー
| 本製品データー | 実銃データー | |
|---|---|---|
| 名 称 | 自衛隊 偵察オートバイ |
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| メーカー | 本田技研工業株式会社 |
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| 主要材質 | – |
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| 銃身長 | – | – |
| 全 長 | 2.175mm | – |
| 重 量 | 128kg | – |
| 口 径 | – | – |
| 初 速 | – | – |
| パワー値 | – | – |
| 照準具 | – | – |
| パワーソース | ガソリン | – |
| 給弾方式 | – | – |
| 発射速度 | – | – |
| 発売日 | 不明 | |
| 撮影日 | 2004年10月10日 | |
| 購入店 | ヤフーオークション | |
| 実売価格 | 本体98,000円(消費税込み)+パーツ代120,000円+その他 | |
| ポイントスター |
★☆☆☆☆
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外部リンク
■MIL+SNS内コミュニティ
【MIL+ SNS】陸自仕様バイクをつくりませう
■combat.ch内フォーラム














































































陸上自衛隊仕様 ホンダXLR250R : COMBAT.CH on 土, 7th 2月 2009 9:49 PM
[...] 前回、combat.chでレポートしたXL250Sは バイクとしてはとてもいいバイクだ。個人的には、あのバイクの持つ独特のフォルムが大好きだ。だが、ブレーキが非常に怖かったり、電圧なんて6 [...]
MVG2008 in 本栖湖ハイランド参加レポ : COMBAT.CH on 火, 10th 2月 2009 11:28 AM
[...] 今回はcombat.chのレポートで掲載されているおなじみの陸自偵察バイクXLR250RとXL250Sを イベント会場に持ち込んでいた。これは偵察バイクを会場内で乗ってのってもらうイベントを計画していたのだが、残念ながらこのイベントは天候不順の為危険 と判断し、急遽中止となった。偵察バイクはもっぱらcombat.chのスタッフが食器洗いや買い物などに利用するに留まっていた。 [...]